Ziereisen / Talrain 2020
ツィアアイゼン / タールライン
sold out
優れたヴィンテージの2020は、熟したタンニンと最高のバランスを持つエキスが豊富なワインを生み出しました。チェリー、レッドベリー、ハーブなどの香りを持つお手本のようなピノ・ノワールです。非常に豊かな、余韻まで美しいワイン。
いまお召し上がりいただいても楽しめますし、5-6年寝かせてるのも良いかと思います。
唯一エフリンゲン・キエヒェンではない村(カンダーン)の区画。標高が高くとても冷涼なミクロクリマ。表土は鉄を非常に多く含むため赤い。手摘みで収穫後、除梗したブドウ(70%)と全房(30%)で6週間の醸し発酵。プレス後、ワインの10%を新樽(225L)、90%を古バリックで24ヶ月間熟成。無清澄・無濾過でボトリング。
生産者
「川の向こう岸に石を投げればスイス人かフランス人に当たる。」
そう話すツィアアイゼン夫妻が拠点を構えるのはドイツ南端のバーデン州のさらに最南端にある小さなエフリンゲン・キエヒェンという村です。ハンス・ペーターはとにかく一度話を始めたら止まらないロケットのような人で、地元の人が混じり会話に花が咲くと方言に変わり、全く聞き取れません。ワインを飲みながらジョークを飛ばし盛大に笑う姿は、見ているだけでこちらも笑いそうになります。
フランスとスイスの国境に接するこのバーデン州最南端の一角は「マークグレーフラーラント」と呼ばれ、昔からグートエーデル(シャスラ)とシュペートブルグンダーが栽培されてきました。この村は、シュヴァルツヴァルトとライン川に挟まれた標高約300mの土地にあり、昼間はブルゴーニュから暖かい風が吹き込み、夜はシュヴァルツヴァルトから冷たい空気が降りてきます。この二方向からの風がぶつかることで雨雲が形成され、年間降水量は約1000mm前後にまで達します。ツィアアイゼン家は1734年以来この村で生活をしてきました。元々、家具職人として生計を立てていたハンスペーターは1991年にワイナリーを設立し、本格的なワイン造りを始めました。バーデン南部の石灰岩土壌は、大抵三畳紀の貝殻石灰質土壌ですが、ツィアアイゼンの畑はブルゴーニュと同質のジュラ紀石灰岩土壌で、この土壌がドイツ国内で見られるのは唯一この場所になります。ハンスペーターは醸造学校で学んだことがなければ、他の醸造所で実習したこともありません。原産地呼称に拘りはなく、ワインが審査されるのを好まないため、彼のワインは全てラントヴァインでリリースされます。その一匹狼的な姿勢を慕う若手生産者はとても多いです。
多くの生産者が認めるのは、ハンス・ペーターがフランスでは広く共有されている「ワインに自ら成長させる時間を与える」という視点をドイツに広めたことです。彼のシュペートブルグンダーは若いうちは寡黙なワインが多いですが、時間の経過とともに、ハンスペーターのビジョンが徐々に現れてきます。グートエーデルに関しては、それまでのシャスラを取り巻くイメージが覆される唯一無二のスタイルです。ドイツにおけるピノ・ノワールと、スイスを含むシャスラについて語る際、忘れてはならないアイコン的生産者です。
(インポーター資料より)