Anders Frederik Steen / We can do what I can't 2018
¥5,900
全体の80%をダイレクトプレスしたジュースに、除梗した葡萄を3週間マセラシオン。ファイバータンクで発酵と熟成。2019年4月にスーティラージュを行い2019年5月瓶詰め。
入荷してから約6年の時を経て、ようやくご案内できる運びとなりました。入荷当初から5年半ほどは、揮発酸とグレーピーな印象が際立っており、正直いつになれば飲み頃を迎えるのかと思い悩む日々が続きました。それでも年に3〜4回のペースで状態を確かめていたところ、6年目に入る頃からわずかな変化が感じられ、そして10月のティステングでは、スタッフ全員が驚くほど印象が一変。若々しさと角の取れた口あたり、熟成由来の複雑さが調和し、今回のリリースに至りました。
仄かにオレンジがかったルビー色。ブラックベリーやブルーベリー、巨峰などの黒系果実を主体とし、赤い果実の果汁や小梅、赤紫蘇、ドライフラワーやドライハーブ、仄かにスモーキーなニュアンスが加わります。わずかに糖分が残る状態で発酵が進んだことで、仄かな甘みを残しつつも辛口寄りの印象へと変化しており、ピリピリと微細なガスが弾むような軽快さを感じさせます。揮発酸はやや高めながらも、ピュアな赤い果実の果汁のような瑞々しさ、若々しく香り高い黒系果実の風味、ドライフラワー、黒葡萄の果皮をかじった時のような少しビターな風味や微細なタンニンが一体となり、不思議と嫌味がありません。アフターにかけて、軽くスモーキーな風味と赤紫蘇などのニュアンスが現れ、旨みが感じられます。フレッシュな若々しさと、落ち着きを帯びた熟成感とが共存する、調和の取れた仕上がりです。
生産者
2015年までジャンマルク・ブリニョとともにFoxy Foxy Nature Wild Lifeにてワインづくりを行なっていたアンダース・フレデリック・スティーン。その後はそれぞれが違う道を歩むことになりました。
スティーンは、自分たちにとっての醸造は料理のようなものだといいます。毎年異なる姿をみせるブドウを味わい、その最も興味をそそる味に従って醸造していきます。目の前にあるブドウに好奇心をもち新しい可能性を開くため、常識や伝統に捉われないアプローチを積極的に行います。
発酵後はそのプロセスには干渉せず、何も追加されたり削除されたりしません。ワインの自由な成り行きにまかせます。
(インポーター資料より)